“えれこみ”ピックアップ企業インタビュー#2 「株式会社iPX」~シミュレーションツールで物流業界に最適な環境を提供する~
こんにちは!萩原エレクトロニクスの杉本です!
第二回目の取材に行ってきました!今回は東京に本社を構える『株式会社iPX』を取材しました。
1. 株式会社iPXとはどんな会社??
今回、取材をさせていただいたのは株式会社iPXの渋谷さん。渋谷さんは元々は造園系のお仕事をされていたそうですが、数年前よりiPXに入社し活躍されています。iPXさんは自律走行機能の構築や、複雑化するシステムの設計開発に求められるモデルベース開発を用いた開発支援・評価を行っています。
渋谷さん:iPXはソフトウェアの受託業務をメインに取り組んでいます。元々は技術員派遣を主要事業としてきましたが、自動車メーカー向けの自動運転やADAS領域における評価支援業務の経験から知見を蓄積したことが現在の事業に繋がっています。
昨今は、自動車メーカー様以外のメーカー様からのご相談いただいており、重機・船舶の自動化といった開発業務も受けております。また、自動化・スマート化、シミュレーションの活用の生産技術への適応といった、製造メーカーの生産部門・物流部門からのご相談も増えています。そういったことから、マテハン領域の支援にも力を入れています。
杉本:自動車だけでなく、重機や船舶にも携われているのですね!様々な業界で活躍されているiPXさんが、具体的にどのような取り組みをされているか気になります!
2. iPXが提供する物流ソリューションとは?
渋谷さん:物流のシミュレーションツールの提供や運行管理のアルゴリズムの提供を行っております。
・「Simulation Results Report」:シミュレーション結果を提供するレポートサービスの提供
・「Transit Optimal Platform」:物流向けシミュレーションツールの販売
・「xOpt(クロスオプト)」:マテハン機器に対する仕事の割り当てや車速の指示を自動で計算してくれるアルゴリズムの販売
・「Flexible Attachment Vehicle」:AGV/ロボットアームなど開発用ハードウェアの販売
今回、メインでお伝えしたいところは「Simulation Results Report」というものになります。こちらはレポートサービスとなっており、iPXでマテハン機器導入時などのシミュレーションを行いその結果をお客様にお渡しするサービスとなります。
杉本:様々なソリューションを提供してされているのですね。もう少し詳しくご提供頂いているシミュレーション内容についてお伺いしていきたいと思います。
3. 具体的にシミュレーションはどんなことを行うの?
杉本:物流領域でのシミュレーション技術をサービス提供しているiPXさん。具体的にどのようなことをシミュレーションをしているのでしょうか。
渋谷さん:AGVを導入したものの台数が不足・渋滞している、どういったスペックのAGVがよいのかわからない、新設のラインが成立しているか評価したい等のご相談に対して、シミュレーションを実施し評価結果を提供するサービスが「Simulation Results Report」になります。シミュレーションは「Transit Optimal Platform」をベースに行っています。「Transit Optimal Platform」は工場や物流倉庫などのユーザーの構内を再現するとともに、AGV の走行ルートや台数を変更した際の生産に及ぼす影響を事前にシミュレーションすることが可能です。こちらは、ツールの販売も行っており、ユーザーカスタマイズにも対応しています。
杉本:正確さやスピードが求められるような物流領域で、事前にシミュレーションを行って頂けることは、効率的で素晴らしいですね!iPXさんにシミュレーションを行って頂く場合、どのような情報があれば良いですか?
渋谷さん:ご提供頂きたいデータとして、下記があります。
・運搬対象
・マテハン機器スペック
・マップ・レイアウト
・想定物流作業フロー
・検証項目
・評価指標/理想形
・現状再現用参考情報(現行の工場稼働ログ/現行AGV台数の試算方法
お客様が実際に運用している環境を再現し、シミュレーションを行います。そして最適化したシミュレーション結果をご提供します。
杉本:お客様の実際の環境を再現し、シミュレーションして頂けるので、最適な条件をマテハン機器導入前に把握できるのでとても嬉しいですね!
4. Simulation Results Reportサービスの実例
杉本:iPXさんがご提供されているソリューションについてご紹介して頂きました。次は、実際にiPXさんがシミュレーションされた実例をお伺いしていきます!
渋谷さん:ある工場の有人フォークリフトで行っている3種のタスクを無人フォークリフト(AGF)に置き換えた際の最小台数を算出することを目的とし、シミュレーション結果を算出しました。
まず比較する車両スペックの差を把握し、実際の作業場所を再現した仮想環境でAGV導入時の作業性を検証していきます。今回のケースですと、友人フォークリフト2台に対し、AGVの導入台数が2台では作業性が落ちますが、3台以上からは効率が上がってくることがシミュレーションによって確認できました。このように、現状と導入時を想定比較することで最適な作業条件をご提案しました。
杉本:自動車の走行に関わるシミュレーション評価の技術が、この様な形で生かされているのですね。
マテハン機器の導入前に比較検討が出来るので、お客様に喜んで頂けるソリューションであることが理解出来ました!
5. 様々な業界にサービスを提供するiPXが今後目指す姿
杉本:これまでiPXさんがどんな会社なのか、iPXさんの提供するソリューションについて詳しくご紹介してきました。
最後に、iPXさんが今後どうなっていくのか、ビジョンについてお伺いしました。
渋谷さん:人手不足という課題を背景に多くの製造業様の中で今まで人力で行っていた業務の自動化が推進されているかと存じます。
弊社としては、設備の導入だけに留まらない継続的な自動化・効率化に向けて、シミュレーション環境の活用やソフトウェア開発を通じて支えていければと考えております。
具体的には、安価にご利用いただけるWEBサービス型のシミュレーションサービスをなるべく早くご提供できるよう活動推進していきますので、ご興味ある方はぜひご検討いただければと思います。
杉本:効率化や自動化など産業系DXが進んでいる現代には、iPXさんの技術は欠かせない存在ですね!お客様の効率化につながる提案を一緒に考え、iPXさんのご活躍を期待しています!自動車業界の経験に裏付けされた精度の高い業務対応はお客様にも安心を与えられる印象を感じました。私としてもお勧めしたい企業様になりました。