「2022年パリ・モーターショー(1) パリへの移動で考えるMaaSの理想型とは?」

(Hagiwara Electric Europe GmbH 西村 重樹)

2022 年10月 フランス・パリで開催されたパリ・モーターショーに行ってきました。みなさんは、「パリ」というとどんなイメージをお持ちですか?
「凱旋門」、「シャンゼリゼ通り」といった有名な観光地を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょうし、ワインや美食、といったグルメの街、という印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

さて、そんなおしゃれなイメージを持つパリで開催されるモーターショーとは、どんなものでしょうか?
パリがあるフランスを代表する自動車メーカーといえば、「ルノー」、「プジョー」、「シトロエン」です。

ちなみに、プジョー、シトロエンは、今はステランティスのグループです。
今回のモーターショーは、これら3つのブランドが中心となったのでしょうか?
しかし、今回はかなり違う様相だったのです。

さて、私がパリに行くのは、なんと4年ぶりのことです。
そうです。新型コロナウイルスの影響ですね。パリに限らず、コロナ禍による移動制限で、約2年間、出張がほとんどできませんでした。
私が住んでいるドイツ・デュッセルドルフとパリは直線距離で500kmほど。車だと5〜6時間、飛行機に乗ってしまえば、1時間ほどの距離です。
日本でいうと、東京と大阪の間ぐらいの感覚です。

東京ー大阪間の移動の場合、みなさんはどの交通機関を使われますか?
「新幹線が手っ取り早い!」という方もいらっしゃるでしょうし、「飛行機のほうがはやくていいよね?」という方もいるかもしれません。

私の場合も、パリへの移動は悩むところです。
結果的には、今回は、行きは飛行機、帰りは電車にしました。それは、なぜでしょうか?

飛行機の場合、確かにフライト時間は1時間ほどで済みます。しかし、昨今の空港の混在状況から、かなり早めに着く必要があります。
それに加えて、パリのCDG(シャルル・ド・ゴール空港)からパリ市内へは、早くて車で1時間ほど。渋滞だと、さらに時間が必要です。
案の定、今回も、渋滞に巻き込まれて、1時間30分ほどかかりました。まぁ、救いは空港からのタクシーが定額料金なことですかね。

一方、電車移動の場合は、パリ市内の北駅から乗れるものの、5時間ほど時間がかかります。加えて、よく遅れるので、到着時刻が読めないところがあります。
このように悩ましいのですが、今回は、到着日と帰宅日の予定、料金などを加味して、行きは「飛行機」、帰りは「電車」という結論になりました。
いわゆる、「MaaS」(Mobility as a Service)がもっと進化して、こんな悩みがなくなるといいのですが…

ところで、今回の移動の最初のサプライズは、タクシーの車種でした。当然、フランス車が多い、と思いきや、なんと、「トヨタ車」だらけだったのです!!
カローラやCH-Rのハイブリッド車が目立ちました。実は、ドイツではトヨタ車を見ることがほとんどないので、ある意味新鮮でした。
(※ドイツでのトヨタ車のシェアは、2〜3%)

長距離を走る都合で、燃費重視のタクシーにとっての今のベストの選択肢は、トヨタの小型・中型のハイブリッド車、ということなのでしょう。
今後の電気自動車(BEV)の普及次第で、どう変わっていくのかが気になります。

さて、前置きが長くなりましたが、無事に移動を終えて、いよいよ、パリ・モーターショーの会場に向かいます。
そこで、どんなサプライズが待っていたのか?

第2回のコラムに続きます。

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