(Hagiwara Electric Europe GmbH 西村 重樹)

「2022年パリ・モーターショー(2)フランス勢より目立っていた存在とは?」

前回に引き続き、パリモーターショーの視察のレポートです。
ずいぶん間が空いてしまい、年を越してしまいました。。。

多少、古新聞になってしまいますが、参考にしていただけると幸いです。
さて、今回のパリモーターショーは2018年から4年ぶりの開催となりました。
4年前にも視察したわけなのですが、その時とは大きく様相が変わっていたのです!

まず会場の広さは半分近くに大きく縮小されていました。
というのは、メルセデス、BMW、Audiなどのドイツ勢、
そして、トヨタ、ホンダ、日産といった日本勢が軒並み出展を取りやめていたのです。

モーターショーの規模が縮小傾向にあるのは、世界的な潮流です。
(中国を除いて?)
クルマの付加価値の変化とともに、モーターショーの意義と位置づけが変わってきているのでしょう。

さて、肝心の展示の方のお話です。
ひとことで言うと、

  「中国勢がかなりきてる!!」というものでした。

中国産車の勢いが増しているのはデータでは知っていました。
しかし、実際に目でみて、触ってみるとまったく違った印象を持ちました。

以前は、勝手に、

  「中国製は粗悪品」
  「欧州車のクオリティーにはまだまだ叶わない」

と考えていたところがありました。

ところが、今回展示されていたBYDや長州汽車の車は、

  デザイン性もよく、車内の質感も上々、さらに、最新のデジタル装備が搭載されている

というものでした。
品質、コストの面からも、欧州での販売も十分競争力がある、と感じました。

それでも、日本の方々は、

  “まだまだ、中国製品のクオリティは信用できない”

と思われているかもしれません。
しかし、第二次世界大戦直後の米国では、日本製品、”Made in Japan”は、
同じような粗悪品のイメージがありましたが、それを覆しました。
中国勢がどのようにイメージ回復してくるかに着目したいです。

また、欧州と中国の自動車業界は急速に結びつきを強化する傾向にあります。
欧州勢にとっては、これまでも市場として中国は重要視されていました。
近年は、独自の技術力、サプライチェーン、原材料を含む部品調達力をもつ中国勢が、
別の観点での重要性が増しています。

中国側にとっても、自国のEVを欧州市場で販売できるメリットがあります。
いわゆる「Win-Win」な関係がなりたっています。
環境対策を中心としたルール形成力をもつ欧州と規模が大きい中国勢が結びつくことによって、
世界の自動車業界の覇権を握る可能性は高い、といえるでしょう。

さて、このような状況下で、日本の自動車業界がどのように生き残っていけるのか?
このコラムを通じて、読者のみなさまと議論させていただけると幸いです。

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