(前編)“えれこみ”ピックアップ企業インタビュー#1 「Kudan株式会社」~「SLAM」とは?~
こんにちは!萩原エレクトロニクスの杉本です!
今回は東京にある『Kudan株式会社』を取材しました。
実は東京出張が初めてだったので、ワクワクしながら移動していました。駅には大きなスクリーンがあり大好きなアニメの宣伝がされていて、「東京だなあ~」と実感しました。私が住んでいる名古屋よりもたくさんのビルが並んでいるおかげで、少し道に迷ってしまいましたが、無事にKudanさんに到着できました!そんな私の東京出張の感想はさておき、、、さっそくKudanさんを紹介していきます!
1. Kudanとはどんな会社??
杉本:今回、取材をさせていただいたのはKudan株式会社の千葉さん。
千葉さんは元々はベンチャーキャピタルやゲーム系スタートアップに勤務していたそうです。
2016年にKudanに入社し、活躍されています。
千葉さん:「Kudanはイギリスやドイツにも研究開発拠点を持つ日本企業で、
コンピューターやロボットに視覚を付与するアルゴリズム・組込要素技術の開発を行う研究開発企業です。
『SLAM (Simultaneous Localization and Mapping)』と呼ばれる、カメラや
センサを用いて位置特定と地図作成を同時に行う技術の提供を行っています。」
杉本:『SLAM』って何?位置特定?GPSとは違うの?と思った方も多いはず!
Kudanさんの『SLAM』をしっかり紹介していきます!
2. Kudanが提供する技術『SLAM』とは何か。
千葉さん:「『SLAM』とは、カメラなどのセンサを用いて、
GPSなしでも周囲環境を把握して位置情報を認識する技術です。
これは、どう動いたかがわかる『localization』、周囲環境を記憶する『mapping』、
そして一度記憶した場所にもう一度行けば地図の中でどこにいるかがわかる『relocalization』という、人間が目を使って無意識にやっている各機能を、
コンピュータにもやらせましょう、というものです。
これらの機能はロボットや自動車が自律的に動くために必要不可欠となります。」
杉本:私も自動車業界のお仕事をしていますが、カメラやセンサを使って
位置特定ができる『SLAM』という技術は初めて知りました!
3. Kudanの「SLAM」はここがすごい!
杉本:さあここからが、とってもすごい!Kudanさんの技術『SLAM』についてのご紹介です!
千葉さん:「最近は『SLAM』を使った企業も増えてきていますが、複数種類の『SLAM』を提供している会社は世界的に見てもあまりありません。
一つ目が『Visual SLAM』。
オープンソースでも有名なものでORB-SLAMがありますが、これは大学が出しているもので、
もともと論文目的で開発された学術的なものになります。そのため、現場で使う様な実用性には乏しいという課題があります。
Kudanでは、ORB-SLAMに比べて精度・処理速度・メモリ使用量・安定性といった各項目のパフォーマンスに優れた実用的なSLAMを提供できます。
『Visual SLAM』はコスト重視のユースケースに利点があります。まずカメラはコストが安く、調達しやすい。
AIやロボットの場合、人物認識等でカメラを使用するため融合しやすいことが挙げられます。」
杉本:あまり世の中で実用しきれていない課題を解決する『Visual SLAM』を開発をしたKudanさんの技術力は素晴らしいですね!
千葉さん:「そして二つ目が、『KdLidar』という名前の3D Lidar SLAMです。
こちらは3D Lidarといったセンサを使用し、広く使われている2D Lidarと違い縦方向にも検知が可能です。
また、一般的に使われている3D Lidar SLAMは高精度地図生成専用の装置が必要になりますが、
『KdLidar』はユーザー側のデバイスやロボットを用いて随時更新が可能です。
そして、ロボットや自動運転を運用するためには緻密な地図は必要がないため、マップサイズを最大1/300以下にデータ圧縮することができます。
3D Lidar SLAMは屋外に強いという利点があり、最近は屋内外シームレスに移動するロボットや自動運転で活用が広がっています。
この2種類の『Kudan SLAM』は各ロボット等の端末に組み込むことだけでなく、
クラウドやシステムに組み込むことも可能で、ニーズに合ったソリューションをカスタマイズして提案することができます。」
杉本:2つのSLAM技術の提供だけでなく、カスタマイズしてソリューションを提案できることはとっても魅力的ですね!
ここまで閲覧頂きありがとうございます!
続きが気になるところですが、続編のアップデートは一週間後を予定しています!
引き続き、kudanさんの狙いや今後の展望についても迫っていきますのでお楽しみに!